バイラルメディアは結局なんだったのか。
はてなブログ旬のトピックが「バイラルメディア再考」だったので考えてみる。
僕の周りで「バイラルメディア」という単語を見聞きするようになったのは、
ちょうど去年の今頃だったように思う。
海外のBuzzFeedやupworthyというサイトがあるという話を人づてに聞いた時も、
そんなメディアがあるのか!?、と驚いたのを覚えている。
ただ、その頃は、今みたいに2chまとめと一緒のパクリコンテンツなどと揶揄されておらず
・検索エンジンから脱却を図る革命的な施策。
・定量的なデータを元に、よりユーザーが求めるコンテンツを体系的に提供する。
このように聞いていたので、
「何だか凄い革命的で、サイエンスなんだな。」
なんてボンヤリと感動していた。
バイラルメディア大手の「CuRAZY」を運営している株式会社ビットギャザー代表の伊藤氏の著書にも、そのような事が書いてある。
Amazon.co.jp: ネットが味方になるWebマーケティングの授業: イケダ ハヤト, 中川 淳一郎, 出口 治明, 伊藤 新之介: 本
詳細は著書に任せるが、要約すると。
多くのWebメディアがPDCAを回す際の指標はPV数である。
しかし、釣りタイトルや煽り文でPV数は稼げても、
PV数 ≠ 記事のクオリティ = ユーザー体験
だと考えると、PV数の数でユーザー満足度は測れない。
そこに動画と画像で直感的に訴求し、Facebook等のSNSでコミュニケーションができる
「バイラルメディア」というライトなメディアを用意してあげることで、
本当にユーザーが求めているコンテンツは何か?
が体系化できるようになった。
簡単に噛み砕くとそんな話である。(読み込んでないから違ってたらすみません。)
そして、日本でdropoutやWhats、CuRAZYなどがリリースされ、
SNS上のユーザーはサイトの事など知らないまま、動画が拡散されていく訳であるが、
皆さんもご存知の通り、元々の参入障壁の低さから2chまとめ等と一緒のパクリコンテンツと揶揄され今にいたる訳である。
ここ1年間のバイラルメディアの変遷については下記の記事にまとめてあったのでシェアしておく。
2014年のバイラルメディアの隆盛が時系列でわかる15記事|Ferret [フェレット]
バイラルメディアの存在意義
ビジネスモデル的には広告で収益を出すモデルである。
しかし、その相場は1PV=0.5円以下と言われており、参入障壁の低さから差別化を図るのが難しい。
また、引用したコンテンツを提供しているメディアが大多数のため、コンテンツのネタ切れや他メディアとのコンテンツ重複も多発した。
オリジナルコンテンツを作成するのが必須になってくるが、
負荷の大きさから更新を停止したりページ自体を閉鎖するケースも発生したため、
一過性のバブルだったとの印象を持つ人も多い。
それにも関わらず、なぜサイバーエージェントの大手も「Spotlight」をリリースしたりするのか?という疑問が出てくるが、
それは上記の通り他のサービスでユーザー体験の向上の為のツールとしてバイラルメディアを用意しているのだろう。
バイラルメディアは結局なんだったのか。
個人的にはバイラルメディアは今後のネットの生活圏をより住みやすくするための
必要悪だったのではないかと思う。
メディア運営で得たデータやノウハウは、他サイトやメディアで応用が出来る。
来年からは各バイラルメディアを運営していた企業・個人かかわらず
データを活かした、中身のある長文コンテンツが大量に提供されるのではないか?
長文コンテンツが来ると言っている人は他にもいるようだ。
2015年は「バイラル」から「長文」に移り変わるのかもしれない - d_tettu's blog
とはいえ来年もバイラルメディアが流行るのか否か。
正直ぼくには分からない。
でも今年1年の、良くも悪くもネット界の話題になったメディア達は
今後のネットコンテンツ制作の良質な糧になるのだろう。という気はしている。