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「わかりやすさ」を考える。寄藤文平さん著、「絵と言葉の研究」の感想。

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「わかりやすさ」とは?

 

「ドツボにはまる」という言葉があります。

なにか1つの物事について、思いをめぐらせ、頭をひねればひねるほど答えがわからなくなり、まるでメビウスの輪の中心にでも迷いこんでしまうような状態。一言でいえば、それは悪循環と表せるのではないかと。

たとえば、ブログの記事を1本仕上げることにだって、ドツボ世界への扉はよく現れます。

 

この言い方は、読み手にとって分かりやすいのだろうか?

 

このビジュアルと言葉は、きちんとリンクしているのか?

 

そもそもこの企画は書く・読む価値があるのか?

 

とまあ、1億総クリエイター時代なんて呼び名もだいぶ手垢がついたイマココならば、結構な割合の方には身に憶えのある出来事なのではないでしょうか。

 

絵と言葉の研究

さて、一般的にクリエイティブと呼ばれるもので、代表的なものに「絵」と「言葉」、この2つのツールがすぐ思い浮かばれることが多いのではないかなと思います。

ぼくだって例外ではなく、webや紙媒体の仕事を経験している中で、この2つはとても意識しながら、表現としてどう在るか?どう在りたいか?を暗中模索しながら日々働いてます。

 

「分かりやすい」とは、そもそもどういうことなの?絵と言葉の関係性について、自分は奥のおくまで理解できているの?なんて、不安に似た疑問は常々あたまの中でテーマになっている訳ですね。

そんなとき、たまたま手に取った本が、寄藤文平さんの著書である「絵と言葉の研究」でした。

 

絵と言葉の一研究 「わかりやすい」デザインを考える

絵と言葉の一研究 「わかりやすい」デザインを考える

 

アートや小説、広告表現などなど様々なフォーマットに使用されるこの2つのツールについて、仕事として長年関わってきた著者が、「情報」「絵と言葉」「わかりやすさ」などのキーワードを通して、まさにぼくが迷い込んでいた、ドツボから抜け出すコンパスのように著書の考えがまとめてありました。

 

クリエイターの頭の中をのぞける良書

クリエイティブは結果としてのアウトプットが明確にあるので、その分、プロセスについてフォーカスされることは多くありません。

そういう意味でも、著書がどう考えて、着想し、広げていったのかという軌跡がわかる構成になっているものは珍しいです。

著書にも書いてありますが、技術職の人たちは基本的な考え方として、自分の手の内は大事な資産であるから他人に見せてはいけない。非オープンソースな暗黙の了解があります。

モノ作りに関わる人は引き出しを増やす、自身の思考のポジションを確認する、そんな意味でも1度、手に取ってみる価値はある本じゃないかなあと思うような本でした。

 

ちなみに僕はまだ、ドツボからは抜け出せてません。

 

絵と言葉の一研究 「わかりやすい」デザインを考える

絵と言葉の一研究 「わかりやすい」デザインを考える